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境界性人格障害のメンタライゼーション療法(MBT)

境界性人格障害のメンタライゼーション療法(MBT)について

 

メンタライゼーション療法(MBT)

 

メンタライゼーションとは自分や他人の行動がその人の心の状態から起こるということを理解する能力のこと。メンタライゼーション能力が十分でないと

 

1,自分の心理がわからない。
自分が問題行動を起こしたときなぜそんなことをしたのか自分でもわからなくなります。

 

2,他人の心理がわからない。
他人の行動がなぜ起こるのか分からないので混乱する他人の言動を誤った思い込みによって解釈し怒りを感じたり抑鬱感に沈んだりする。

 

メンタライゼーション療法とはこのような自分や他の人の心の働きを理解する能力を上げる治療方法です。それにより行動コントロールの改善、感情コントロールの改善、親密で心地よい人間関係を形成、人生の目標追求する能力を高めることができます。

 

 

メンターライゼーション療法(MBT)は弁証法的行動療法(DBT)と同じく境界性人格障害のために開発された統合的な治療方法です。開発したのはイギリスのアンソニーベイトマンとピーターフォナギーです。

 

彼らは境界性人格障害の基本的な病理を、人との愛着関係の障害と考えました。境界性人格障害の人はそのため自我が弱く、他人との分離に耐えられない、他人との関係で自分をとらえることができない、他人の心理状態を理解できないなどの障害が起こると言うものです。

 

これらに対する援助として、精神分析的精神療法を基本に、集団精神療法や個人精神療法、薬物療法などを組み合わせた統合治療プログラムを開発しました。

 

最初はデイケアの治療として実施されていましたが、その後外来での治療が開発され従来の精神療法との比較研究が行われています。先ほど発表された研究報告によると、メンタライゼーション療法は、外来治療でも従来の精神療法に比べ、自傷行為などの自己破壊的な行動の改善や対人関係が良好になる変化が速やかに実現したと報告されています。

 

また治療が終わった後も治療で身に付けた能力は持続し、自己破壊的な行動する割合も少ないと報告されています。日本ではメンタライゼーション療法の導入はこれからのことになりそうですが、境界性人格障害会の有力な治療方法として注目され期待されています。

 

 

メンタライゼーション療法の治療プログラム

 

1.個人精神療法 週一回
一回一時間の個人面接を行います。治療者は患者さんとの間に安心できる人間関係を作り、精神分析の技法によって患者さんが自分の行動の利用や、その行動した時の感情に気づくように導きます。人の行動の原因となる心の働きを理解する能力を高めていきます。

 

2、集団精神療法 週三回
治療の目的は個人精神療法と同じですが数人のメンバーで治療者の助言を受けながら、互いの行動理解することを練習します。自分自身の行動が他のグループメンバーに対してどのように影響するか、また他のメンバーの心理状態がどう行動に表れるかを学びます。

 

3.サイコドラマ 週一回
サイコドラマとは芸術的表現による集団精神療法の1つで、演劇の形式を用いてグループで行います。メンバーは監督や主役、脇役、観客などの役割を演じ、そこで再現されるドラマの内容や援助の振る舞いから、行動の背景となった心理や感情、対人関係等を理解することを学びます。

 

4.コミュニティーミーティング 週一回。
患者さん全員と治療スタッフ全員が参加するミーティングです。治療目標を説明したり、治療の場に対する患者さんたちの考えを発表してもらったりします。







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